当ブログが推奨する“酒風呂”の酒は、すべて日本酒です。
これは、日本道観で実際に試したかぎり、“コメから作った日本酒でなければ成果が上がらない”ということがわかったからです。
なぜ、日本酒に限るのか——。
酒風呂を健康法として 初めて世に送り出した早島正雄(日本道観の始祖)の著書から、その理由を紹介しましょう。
日本酒には実にたくさんの成分が入っています。アルコール分はもちろん、エキス分、アミノ酸、ビタミンB6……。ビタミンCやB2、B6はシミの治療に用いられているようですし、また、アミノ酸は、新陳代謝における有効成分であると言われています。そして何よりも大切なことは、日本酒のほんらい持っている「気」が、われわれ日本人の体に合っているからだと私は考えています。
日本酒を飲んだときは、ホロ酔い気分でお風呂に入っていると酔いが程よく全身に回るけれど、ビールやショウチュウの時は、いっぺんにさめてしまいます。日本酒の持つこの持続性は、人間の肌に塗布した場合に、独特な効力を発揮するのです。
また、日本酒のペーハー(酸性度)を調べてみますと、約4.0~4.5の弱酸性です。健康な人間の肌もまたペーハー5程度の弱酸性ですから、日本酒はこれよりやや酸性に傾いているわけです。実はこのぐらいのペーハーの液体が最も肌に浸透しやすく、新陳代謝を活発にすることができます。質の良い石鹸のペーハーはだいたい弱酸性のはずです。日本酒は理想的な化粧水であるともいえましょう。これにひきかえ、たとえばワインんなどはペーハーが約3.0~3.7と、酸性がすぎて肌に直接塗るには不向きです。このことから、酒まさつに用いる酒は米からつくる日本酒が良いのです。その土地の持つ「気」が、酒の「気」となって生きていて人間の「気」に通じる。だからこそ、日本酒が最高なのです。(早島正雄『酒まさつスキンケア』PP.47-48)
サケ風呂は高温にしたり長時間入ったりしなくても、体の芯まで温め、長時間にわたって気血の流れを保つことができるわけである。
なぜこういう効果があるか。温度と水圧と浮力に関しては、ふつうのお風呂とサケ風呂は全く同じである。したがって、おサケにより、何らかの力が加わったためということになる。それがサケの気(エネルギー)である。
元来、水は気(エネルギー)をもっている。生水という言葉があるが、これは生きている水、つまり気をもっている水という意味である。~中略~
しかし、水はひとたびわかしてお湯にすると、気を失ってしまう。その意味では、湯は死んだ水ということになる。もちろん、お湯がさめても気はもどらない。サケ風呂では、その気を補って、お湯に気の働きをもたせるため、おサケを入れるのである。つまり、お風呂にサケを入れるのは、水をわかして湯にすることによって水から失われた気を、おサケの気で補うことを意味している。~中略~
サケ風呂が体によい作用をもたらすのは、お湯の温度と水圧や浮力の作用によって、サケの気が体の芯にまで作用するからである。これはアルコールが人間を酔わせる作用とはまったく別の作用である。サケ風呂に入っても、おサケを肌から吸収して酔っぱらうようなことはないから安心してほしい。(早島正雄『「気」が出るひば・さけ風呂健康法』PP.46-47)
日本酒をお風呂に入れても、ベタベタすることもなく、肌への湯あたりが優しくなります。
酒風呂に入ったことがない人も、試しに一度入っていただければ、日本酒の力を実感していただけると思います。